2013年8月4日日曜日

<文献探索から> (3) 2-オキサゾリンポリマーの吸水:温度依存フーリエ変換赤外 (FTIR) 分光法と2次元相関解析 (2DCOS)


原題:Water Uptake of Poly(2-N-Alkyl-2-Oxazoline)s: Temperature-Dependent Fourier    Transform Infrared (FT-IR) Spectroscopy and Two-Dimensional Correlation Analysis (2DCOS)
出典: Applied Spectroscopy Vol. 66 No.10, 2012
著者:E. F.-J. Rettler, M. V. Vnger, R. Hoogenboom, H. W. Siesler, U. S. Schubert
抄録:
アルキル側鎖の長さを変えたポリ(2-オキサゾリン)の温度を変化させて水素結合と結晶化のメカニズムを調べるために、一般化2次元相関分光法(2DCOS)と摂動相関Moving-Window2次元相関法 (PCMW2D)を用いた。1645cm-1付近のCO伸縮振動領域を2DCOSPCMW2Dでモニターしたところ、加熱途中での物質の挙動解釈に有用な情報が得られた。サンプルから水が解離する際に、ゆるく吸着した水と水素結合水を明瞭に区別することが出来た。又側鎖にイソプロキル基を持つ2-オキサゾリンでは、結晶化プロセスでガラス転移点と融点の間でモニターすることが出来た。加熱途中のサンプルの挙動モニタには熱量計測装置(TGA)が使用された。

2-オキサゾリン:オキサゾリン(oxazoline)は化学式C3H5NOを持つ5員環複素環式化合 物。ポリ(2 ーアルキル-2-オキサゾリン)はアルキル基の種類を変化させることにより、多様な機能性高分子の合成が可能で、活発な研究がなされている。

2DCOS:スペクトルの吸収帯間の強度相関を相関関数を用いて解析する手法で、温度変化、化学反応、圧力変化等多様な変化(摂動)に対応できる。

PCMW2D2DCOSを発展させた手法で、2DCOSでは見ることの出来ないスペクトルの変化と摂動の変化の相関を見ることが出来る。

注)2DCOS, PCMW2Dの詳細については、下記参照ください。
 << http://science.kwansei.ac.jp/~ozaki/NIR2DCorl.html>>

0 件のコメント:

コメントを投稿