2016年2月9日火曜日

<文献検索から>(19) ラマン分光と多重摂動2次元相関分光法を使用したポリエチレン特性の測定精度改善ための最適温度とその原因解明


題名Improved Accuracy for Raman Spectroscopic Determination of Polyethylene Property by Optimization of Measurement Temperature and Elucidation of Its Origin by Multiple Perturbation Two-dimensional Correlation Spectroscopy
著者:S. C. Park, H. Shinzawa, J. Qian, H. Chung, Y. Ozaki and M. A. Arnold
出典:Analyst 136, 3121-3129 (2011)
【抄録】
ラマンスペクトルはポリエチレン(PE)サンプルの密度を精度よく測定することが出来るという報告がある。しかしその報告は室温測定の結果であり、ポリマーのスペクトルは温度変化に敏感である。このため室温以外の温度でサンプルを測定することにより、ラマン測定を使用したPEの密度測定の精度を改善できる可能性がある。精度改善が出来る最適な温度の存在を調べるため、ホモPEポリマー、共重合PEco-polymer;1-ブテン、1-オクテン)を含む25種類の異なる密度を持つPEペレットのラマンスペクトルが8種の異なる温度(3010010毎に)で測定された。それぞれの温度で測定したスペクトルデータセットからPLCPartial Least Square)を利用して検量線モデルが作成された。基準PE密度値は、密度勾配管を使用し23で測定された。異なる密度を持つPEペレットのラマンスペクトルは、温度変化によって15041054cm-1の領域でピーク強度、波数位置、ピーク幅の項目で異なった振る舞いをすることがわかった。
3010010毎に測定したスペクトルを使用し、PLSを使用してそれぞれの温度で密度の検量線を作成し、その精度を比較したところ70で測定したスペクトルを使用した検量線の精度が一番良かった。(評価指標:Men Standard Error of Calibration(MSEC)Mean Standard Error of Prediction (MSEP)) 70がなぜ一番良い結果となったのかを調べるために、PLSLoadingを調べた。全体的に見て、Factor2Loadingは温度変化による構造変化が6070あたりで始まっていることを示していると思える。
多重摂動2次元相関法(MP2D)を使用して、測定温度の異なる8種類のスペクトルデータを解析した。1180-1100 cm-1では同時に強度が低くなるバンドシフトを示すパターンが観測され、結晶構造と非晶質構造の変換を示している。15001300 cm-1領域のMP2Dの強度と形はホモPEと共重合PEとではまったく異なる。これらの特徴は共重合PE間では良く似ている。この差はホモPECH2構造の熱的振る舞いが、共重合PEとは異なることを示している。2つの共重合PECH2構造は溶融温度(Tm)よりかなり下でもホモPECH2に比べて熱的刺激に敏感である。共重合PEのような半結晶性ポリマーは液体のような非晶質(アモルファス)基質(マトリックス)の中に折りたたまれたラメラ結晶で構成された複雑な超分子構造を持つことが知られている。この構造のためTm以下でも、共重合PEではpre-melting(前溶融)として知られる微小結晶の部分溶融が起こることになる。15001300 cm-1領域におけるMP2Dの強度と形の違いはpre-meltingによると考えられ,MP2Dから得られる結果は示差走査熱量測定(DSC)の結果と一致している。
MP2D解析はTmより低い温度でのPre-meltingを説明できたが、70で精度が改善された理由については説明できない。同時サンプル-サンプル相関強度はサンプル間の特徴が似通っているときのみ強くなり、サンプル間の類似度を効率よく表すことが出来る。そのためMP-Sample-Sample2次元相関(MPSS2D)を使用した。ホモ、1-ブテン、1-オクテンの30-100データについてMPSS2Dを使用した結果は、3種のポリマーとも同じような傾向を示し70で相関強度は最低になった。これはサンプルが70で構造的に最も異なっていることを示し、微小結晶領域における部分的な溶融(pre-melting)の発生温度に一致している。このポリマーの構造変化によりサンプル間のスペクトルの差が大きくなり定量分析の性能が改善されたと考える。MPSS2Dを使用して70で測定されたサンプルのラマンスペクトルで作成された密度の検量線が最も良い結果を出す理由について説明することが出来た。




 

2016年1月4日月曜日

<文献検索から>(18)バイオ医薬品製造モニターのためのIn-Situ近赤外(NIR)分光法と高効率の中赤外(MIR)分光法

題名:In Situ Near-Infrared (NIR) Versus High-Throughput Mid-Infrared (MIR) Spectroscopy to Monitor Biopharmaceutical Production
著者:R. C. Sales, F. Rosa, P. N. Sampaio, L. P. Fonseca, L. P. Lopes, C. R. C. Calado
出典:Applied Spectroscopy Volume 69,No6, 2015, P760-770
 
【抄録】革新的で効果的なバイオ医薬品は製薬業界の最先端である。Top20の医薬品の内8種類はバイオ医薬品であり2012年度の研究開発費の40%以上がバイオ関連で165billion$以上の開発費が使われている。バイオ医薬品はくみかえDNA 、制御された遺伝子発現法、又はその組み合わせた方法を使って導出されたたんぱく質又は核酸である。
しかしバイオ医薬品の開発には、これらの分子が生きた細胞によって合成されるため生成能力に関係する固有の変動性が存在し、さらに製造環境に対し敏感に反応する等いくつかの現実的な問題がある。
  正しいバイオプロセスの理解は、最適でより経済的な製造プロセスへプロセス開発をスピードアップし、さらに先進的なプロセス制御を用いることにより変動の原因決定とプロセス変動に対する最終的な対策が可能になるかもしれない。バイオ医薬品とバイオプロセス制御の開発スピードアップの必要条件は適当なモニター技術の開発にある。しかしOn-lineモニターとして利用できるのは温度、pHDOC、スターラー回転スピード、ガス、流体の流量等ごくわずかなものだけだ。バイオプロセスの残った重要なパラメーター(すなわちバイオマス(生物量)、栄養源、抑制物質、製造物)は通常バイオリアクターから取り出されoff-lineで酵素分析、HPLC、免疫学的測定等で解析される。これらのOff-line解析は高価格、汚染のリスク、サンプリングが必要で解析に時間がかかる等いくつかの課題がある。開発をスピードアップして、これらの厳しい製造工程を制御するために高い効率とOn-lineモニタリング技術を開発することが急務になる。MIRNIR分析は、On-line分析に使用できる候補のひとつである。
  この文献ではプラスミドを製造用の組み替え大腸菌培養におけるモニタリングを対象としてMIRNIRについて比較を行う。ロバストなPLSPartial least square 部分最小二乗法)検量線を作成するために、栄養源としてグリセリン、グルコース、グルコースとグリセリン混合物の3種類を使用し培養の種類(回分培養と流加培養)をかえて培養を行い、at-lineMIRin-situNIRで測定を行った。グリセリンを栄養源とした培養では、グルコースを使用した培養より2倍のプラズミドを製造できた。酢酸塩の生成を最小にすることで、バイオマスと製造物が増加する。グリセリンとグルコースの混合物を使用した培養が、他の二つに比較して最もプラスミドの製造効率(4.4mg/L/H)が高く、高濃度(42mg/L)であった。
  NIR分光分析(波数域: 125005400cm-1,分解能8cm-1)では、パス長2mmの近赤外透過反射プローブを培養液に挿入して、光ファイバを使用して測定を行った。
MIR分光分析(波数域: 4000500cm-1,分解能4cm-1)では、培養液から遠心分離された細胞ペレットは、再懸濁されて赤外透過測定用のZnSeマイクロタイタープレートにおかれ真空脱水された後、透過測定された。MIRでも培養液に挿入できるATR(Attenuated Total Reflection)プローブを使用することが可能であるが、使用可能なファイバの長さが短い等のNIRに比較して使用しにくいという欠点がある。
  NIRMIRのスペクトルから作成したPLSの検量線による予測結果を比べると、ほぼ同じような傾向であったが、バイオマスについては、NIRの予測誤差はRMSERoot Mean Square Error)でMIRの予測誤差の43%、グリセリンではMIR予測誤差の50%となった。これはNIRMIRの違いではなく、NIRでは培養液を直接測定しているのに対し、MIRでは遠心分離して再懸濁などの前処理をしているためかもしれない。培養液に挿入できるATRプローブを使った赤外の測定例では近赤外より誤差が小さいという報告がある。バイオプロセス制御(特に培養槽が大きい場合)の場合、On-lineでコンタミの心配なく測定が可能なので高圧蒸気洗浄で滅菌した近赤外の透過反射プローブが使用されるべきだ。複数の培養から数百のサンプルをとり、マイクロタイタープレート等を使用して自動ですばやく測るにはMIRが向いている。





 









 
 

2015年12月27日日曜日

<スペクトルあれこれ>(11)水と水蒸気のスペクトル

水と水蒸気はいたるところに存在し生命の源のひとつだが、分光分析を行うときにはしばしば有用な情報を持つスペクトルの吸収域と重なり、外乱の要因になる。水と水蒸気のスペクトルに関しては多くの研究結果が古くから発表されている。ここでは水蒸気と水のスペクトルを近赤外(120004000cm-1(12.5μm))と赤外(4000400cm-1(2.525μm))の内100001200cm-1(1~8.3μm)の領域を概観してみたい。

Ar11-1, Ar11-2に光路長約40cm、濃度約400ppmの水蒸気スペクトルを示す。図Ar11-1は赤外域、図Ar11-2 は近赤外域を示す。赤外域では主に調和振動が、近赤外域では非調和振動が観測され近赤外域の吸収は結合音になる。<調和性と非調和性については“スペクトルあれこれ(6)を参照>
水分子は非直線状の構造のために対称伸縮(3652cm-1)ν1、非対称伸縮(3756cm-1)ν3、変角振動(1595cm-1)ν2により赤外光を吸収する(図Ar11-3)。気体の場合は回転運動による吸収もある。回転運動による吸収のため気体のスペクトルは、図Ar11-1,11-2に示すようにほぼ等間隔の鋭い吸収ピークを持つ。そのため、これらのスペクトルは振動回転スペクトルと呼ばれる。図Ar11-1の左側は、対称伸縮と非対称伸縮に回転スペクトルが重なり複雑なので、振動モードがひとつしかない変角振動に注目してみる。(図Ar11-4

 ピークは大きく左右に分かれているが、これは回転順位に依存する。低波数側をP枝、高波数側をR枝と呼ぶ。図Ar11-52原子分子の振動回転スペクトルの例を示した。水蒸気のスペクトルは非調和性があり又3原子分子で回転モードが3つ(図Ar11-6)あるために、図Ar11-5のように簡単にはならない。
 
Ar11-7Ar11-8に、水のスペクトルを示す。液体では回転モードは存在せず、対称伸縮(ν1)、非対称伸縮(ν3)、変角振動(ν2)のみだが、常温常圧の気体ではほとんど問題にならない水素結合(図Ar11-9)が大きな影響を持つ。




2015年11月1日日曜日

<文献検索から>(17)近赤外分光を用いた液状の純粋エチレングリコールとエチレングリコール水の混合液の分子構造と水素結合の研究


(題名:Molecular structure and hydrogen bonding in pure liquid ethylene glycol and ethylene glycol;-water mixtures studied using NIR spectroscopy
著者:Y. Chen, Y. Ozaki, and M. A. Czarnecki
出典:Phys. Chem. Chem. Phys., Sept. Vol.15 No.42, P18694 18701, 2013

【抄録】
エチレングリコール(EG)と水の混合液はEGがかなり低い温度でもガラス状態を形成し0℃以下でも氷の結晶化を防ぐ。そのためEGは最も重要な抗凍結剤で広い分野で使用されている。水素結合についてはまだ議論の余地があり、EGは又分子間、分子内水素結合を研究するためのモデルである。17B-1は分子内結合の有無を示している。

          

EGEG・水の混合液の分子構造と水素結合について、近赤外スペクトルを2次元相関とMoving Window2次元相関、ケモメトリックスを使用して解析した。
主成分分析(PCA)は水-EG混合液のスペクトルに濃度に依存する3つの独立した要素があることを示した。
2次元相関を用いた解析では、純粋な液状態のEGの分子は分子間水素結合を持っているが、分子内水素結合は観測できなかった。CH伸縮振動のわずかな変動は純粋液状EGと水との混合液の構造がOHグループの分子間結合によって決定されていることを示した。水の非対称伸縮と変角の結合音の解析はEGリッチの溶液において水分子が、二つのEG分子と主に結合しこの水との水素結合はバルクの水の結合よりも強いことを明らかにした。
Moving window2次元相関解析はフリーと会合したOHグループの変化では、パターンが異なり、フリーのOHグループのスペクトル変化は40℃で最大になり会合したOHでは50℃になっていることを示した。温度の異なるEG-水混合液のスペクトル変化から水―水 水素結合は温度上昇に伴いEG-水の水素結合より早く弱くなることがわかった。水とプロパンジオール、脂肪族アルコールの混合液からは、水とジオールまたはアルコールとの相互作用は、水-水間の相互作用より強いことが明らかになった。
さらに水を加えるとEGOHグループの周りに小さな水のクラスターを形成する。これらのクラスターの大きさはEGの濃度に依存し、EG濃度が低くなると水のクラスターサイズは大きくなる。今回の結果と従来報告されている他の有機溶媒と水との混合液に比べてみると、水の2成分混合液では水と極性基の総量と分布が有機相における水の溶解性を決める重要なファクターであるという結論になった。液相における官能基の分布は分子の疎水性部分の大きさと構造に依存する。これらの官能基がより均一に分布すると有機相における水の溶解度はより多くなる。
 


 

2015年9月16日水曜日

<文献検索から>(16)乾性油の判別を改良するためにFT-NIRとラマンのスペクトルを結合した多変量解析


(題名:Multivariate Analysis of Combined Fourier Transform Nera-Infrared Spectroscopy(FT-NIR) and Raman Datasets for Improved Discrimination of Drying Oils
著者:S. Carlesi, M. Ricci, C. Cucci, J. La Nasa, C. Lofrumento, M. Picollo, M. Becucci
出典:Applied Spectroscopy, Vol. 69, No7, 2015, P865-875
【抄録】
<はじめに>
サンプルの消費が比較的大きい、実験時間が長い、サンプルの調合が複雑等、経時変化するサンプルの解析には明らかに問題があるにもかかわらず、ガスクロ、電気泳動、LC等の分離分析、質量分析、ハイフネット技法は有機物の解析に良く用いられている。振動分光法(赤外(IR, Raman等)は前術のような問題が少なく、又IRRamanは相補的な分光学的技術と言われているが、定量的な解析にたいしては二つを結びつけたアプリケーションは必ずしも効果的な結果になっていない。この論文では油絵のバインダー(乾性油)をサンプルとして、Ramanと近赤外(Near InfraredNIR)の1次微分スペクトルを結合し主成分分析(PCA)を適用した場合について調べた。目的は同じ有機分類に属する化合物間での識別能力を増やすことである。油絵の具のバインダーは種々の脂肪酸が濃縮されたトリグリセリドと少量のステロールやビタミンのような他の成分からなる。異なるバインダーの差はほとんど相対的な脂肪酸成分による。絵画の乾性油の特性は、光と酸素に暴露されて固体膜を形成し、酸化と架橋反応により複雑に変化する。
<実験>
サンプルオイル(亜麻仁油、スタンド油、ケシの実油、クルミ油)はそれぞれ顕微鏡のスライドガラスにフィルムとして塗布され、棚で乾燥のために3カ月放置された。
Ramanスペクトル…励起波長785nm、入力パワー1.1mW、直径2μmの領域を解析した。   NIRスペクトル…フーリエ変換型分光器(FT-NIR)を使用、反射測定モードで測定した。 分解能はいずれも4 cm-1、それぞれ128スペクトル (それぞれのサンプルから4か所の違う場所から採取)
<データ解析>
ラマンスペクトルは200-2000 cm-1が測定され、750-1800 cm-1の範囲が解析に使用された。FT-NIR6000-3900 cm-1の波数領域が解析に使用された。
それぞれのデータは別々に前処理され、ラマンスペクトルはベースライン補正後1次微分され、NIRスペクトルは1次微分のみが施された。FT-NIRとラマンスペクトルは、ピークの絶対値を使用することによるサンプルの誤判別を避けるためにベクターノーマライズが行われた。結合した1次微分スペクトル(波数範囲;6000 cm-1~3900 cm-11800~750 cm-1)を使用して主成分分析を行った。
RamanスペクトルとNIRスペクトル別々にPCAを行ったところ、Ramanでは異なったサンプルで共通の傾向が見られたのに対し、NIRでは主にメチレンCH伸縮と変角の結合音の異なった寄与に依存する異なった製造業者のサンプル判別が出来ることが明らかになったが、クルミ油では2つの製造業者の差を判別できなかった。又Ramanスペクトルではクルミ油とけしの実油を完全に区別することが出来なかった。
これらに対し、RamanNIRからの合成スペクトルを使用したPCA解析では各種乾性油判別でき、製造業者の違いを区別できた。
<結論>
乾性油(亜麻仁油、スタンド油、ケシの実油、クルミ油)の種類とその製造業者の判別が、RamanNIRの結合スペクトルを用いることにより大きく改善された。C=C伸縮の基本音(1700-1600 cm-1)とメチレン伸縮と変角の結合音から得られる情報は判別分析の感度と特定能力を改善させた。これら二つの波数域はNIR又はRaman単体では使用できない。異なった波長域を持つ結合スペクトルを使用するPCAはスペクトルからより多くの情報を引き出しより良い解析を可能にした。



2015年8月1日土曜日

<文献検索から>(15)3成分混合物のテラヘルツスペクトルの定量分析へのケモメトリックスの応用


(題名:Chemometrics Applied to Quantitative Analysis of Ternary Mixtures by Terahertz Spectroscopy
著者:J. E. Haddad, F. de Miollis, J. B. Sleiman, L. Canioni, P. Mounaix, and B. Bousquet
出典:Analytical Chemistry, Vol. 88, P4927-4933 
【抄録】
テラヘルツ(T-Hz)波は0.310THz(波長1mm30μm)の電磁波(1THz=1012Hz)である。T-Hz波が持つ低エネルギーの相互作用と色々な物質に伝わる能力はサンプルの誘電体性質を評価することが出来、遠赤外とラマン分光を補完し理解するために効果的である。さらにT-Hz分光技術は分子内、分子間モード等の振動モードの解析のために強力なツールである。T-Hz分光は従来の遠赤外とは異なり、一般的にT-Hzの応答は周囲の分子の集合的な動きに結合するので分子間の多形、光学異性体を判別できる。
T-Hz波の相互作用は非接触で工業における品質制御に適用可能であり、生物学的物質の判別、医用診断にも有用である。さらにT-Hzイメージング、T-Hzリモートセンシングは危険な違法物質を検知することも出来る。
クエン酸、D-果糖、α-乳糖を色々な濃度に混ぜて、ポリエチレンをバインダーとしてプレスして錠剤を作成した。錠剤は400mg320mgがバインダーのポリエチレン残りの80mg3成分が混合されている。透過型T-Hz時間領域分光器によって測定された果糖、乳糖、クエン酸のスペクトルにケモメトリックスを適用した。PCAにより3成分のスペクトルはきれいに分離できた。ANNArtificial Neuron Network 人工知能回路)がPLSの結果と比較するために適用された。果糖、乳糖、クエン酸は、PLSANNそれぞれの濃度測定で0.9%以下のRMSERoot Mean Square Error)を得た。透過T-Hzスペクトルを取り扱うためにケモメトリックスを使うことが出来ることを示した。ケモメトリックスは、T-Hz領域でも工業用アプリケーションの新しいツールであり、T-Hz分光のアプリケーション開発や検量線の変換においてより大きな役割を果たすだろう。