2014年8月10日日曜日

<展示会見て歩記>(10) 日本ものづくりワールドとインターフェックスJapan


○日本ものづくりワールド 開催日:2014625日~27日、参加日:627
 会場:東京ビックサイト 
 機械要素技術展、設計製造ソリューソン展、3D&バーチャルリアリティ展、医療機器開発・

  製造展が併設。


○インターフェックスJapan 開催日:201472日~4日、参加日:73,4
 会場:東京ビックサイト

【展示概要】
二つの展示会は何れも昨年も参加し、その印象を<展示会見て歩記>の(3),(4)に掲載した。
両方ともこの1年で大きく変わったわけではないが、それでも少し変化があったように思えたので、ここではその変化分について記すことにする。

日本ものづくりワールド:展示社数の多さは相変わらずで、出展社一覧から数えると約2100 社あり昨年よりも多くなっている(昨年は1900社)ようだ。出展面積と出展社が多いのは機械要素技術展で各社それぞれ特長のある技術展示をしていた。しかし昨年と同様に、参加人数も多く盛況なのは3D & バーチャルリアリティ展。少し違う点は3Dプリンタの応用を広げるための工夫が周辺技術と相まって進んできたように感じる。例えば3Dスキャナーで取り込んだデータを使って3Dプリンターで作成する。3DプリンターのFormatCAD、スキャナーともにSTL形式での受け渡しがかなり共通になってきているようだ。3Dのデータを渡すとそれを3Dプリンターで製作し(プラスチックのフィギャーを製作する比較的安価なプリンタから金属製品を製作するものまで準備している)、出来たものはWeb shopで販売するようなシステムを提案する会社まであり、昨年の3Dプリンタの啓蒙からコンシューマーを意識したアプリケーションと市場開拓の段階に来ているという印象を受けた。 しかしプラスチックの作品を見ると3Dプリンタによる表面の凸凹を取る作業等従来と異なる仕上げ作業がありそうで、一般に普及するには未だ時間が必要との印象を受けた。

インターフェックスJapan:第27回インターフェックスジャパンと第8回医薬品国際展インファーマジャパンの併設でこれは昨年と同じ。出展社数はインターフェックスジャパン約770社、インファーマジャパンが160社で計930社。昨年はインターフェックスジャパンが810社でインファーマジャパンが90社(計900社)、インターフェックスジャパンの出展社が減ったように思えるが、これはインファーマジャパンに国内企業の展示が多くなったためで、全体的には微増という印象。7月から日本がPIC/S(医薬品査察協定および医薬品査察協同スキーム)に正式に加盟(日本は45番目)したために、これに対応するものに注目が集まるかと思ったが、昨年に比べ比較的冷静な対応。分析計メーカもImpactのある製品があまりなく、スペクトルを扱う分光分析計で注目が多少集まったのは受け入れ検査に使用するRaman分光計、ポータブルからかなり大きなものまで各社展示していた。日本薬局法で認められているのは赤外分光分析と近赤外分光分析でRaman分光は未認定。欧米ではすでに認定されているので、近い将来認定されるのかもしれない。数年前に大きな注目を浴びたPAT(Process Analytical Technology)については、表面上大きな展示をしている会社はなかったが、消毒用のH2O2の連続モニター等PAT対応のアプリケーションを展示している会社があり、又PATを意識したプロセスの認可申請をした製薬会社が出てきたとの情報もあり、今後また注目されると思われる。