2015年6月8日月曜日

<展示会見て歩記>:(12) 第24回new環境展


24new環境展 開催日:2015526日~29日、参加日:529
会場:東京ビックサイト (地球温暖化防止展併設)


【展示概要】
環境という項目で、ゴミ収集車、バイオマス、廃棄物処理、小型発電、コジェネ、バイオプラスチック、リサイクル等環境に関するものを一堂に集めた展示会。最終日にしては参加者が少なく環境はビジネス規模相対的に小さいのかなという感じを持った。その中で大物はなんといっても再資源化・廃棄物処理のコーナーでコンクリートの破砕機や丸太から木材チップを作る機械等大型の重機械が実演を行っていた。環境展を見学した目的の一つは、分光分析技術が利用できる環境汚染(ガス分析)からプラスチックの判別など多くのアプリケーションがあり、その実情を垣間見ることが出来るかもという期待があった。特に廃プラスチックの判別は分光分析の得意なアプリケーションで、一時期近赤外分光を使用したプラスチック判別機が数社から販売されたこともありその動向も気になった。またバイオマス、バイオプラスチック等にも適用できるのでその応用も注目した。見た限りではある意味で実用的な展示であり、分光分析等の技術を使用しているものはごくわずかであった。バイオマスは木材チップ等の活用、木材チップ製造、油分抽出等が主であり、バイオプラスチックではポリ乳酸を使用した生分解性ポリマーがわずかに展示してあったが、主流は砂糖きびのバイオエタノールからエチレン⇒ポリエチレンを作成使用するものだった。カーボンニュートラルと謳っているが、価格的には化学合成品の2倍近くし、スパーのレジ袋に10%程度混入(残りは化学合成品)して”環境に優しい”と強調するという現実である。またプラスチックの判別も、プラスチックとその他を判別して、焼却(プラスチックと生ごみの混合は焼却されるらしい)するのではなく再生材料にするのが主流らしく現実のところでPP(ポリプロピレン),PE(ポリエチレン)等プラスチックの種類を判別するということはほとんどないというのが現状らしい。PETボトルの表面の包装も金属爪でひっかいてはずし、包装材を風で吹き飛ばすといった選別方法で材料そのものを判別することは現状少ないらしい。それでもポータブルのプラスチック判別機(近赤外分光応用)を展示しているブースがあった。(このブースではLIBSLaser Induced Breakdown Spectroscopy)応用のポータブル形で金属の判別も行っていた。)また大型の廃プラスチック判別装置(フランス製)で近赤外、可視の分光分析機を組み込み判別をReal Timeで行っている物もあり、高級機ではこのような技術が使われていることがわかった。価格の安い組み込み型分光器が出てくればより広く普及するかもしれない。